突然の退職勧告に直面した日
現場に立ち続け気づけば16年間、同じ会社で料理長として働いてきました。
自分なりに立ち回りポジションも確立したつもりでいました。
しかし、働き方改革が進み、残業は制限され、利益より労働時間の短縮が注目されるようになり
私自身も次第にサラリーマン化し、短時間労働を主張する側に回っていました。
一方で、人件費は毎月のように高騰していました。
それでも、会社の利益が悪化している現実を、どこか他人事のように受け止めていました。
そんなある日、突然、会社から退職勧告を受けることになります。
理由は「料理長のポジションに居ながら、みなし残業時間にも満たない勤務で利益を追求する姿勢が欠けている」とのことでした。
初めての転職活動
ここから、私の転職活動が始まります。
引き継ぎ業務に追われながら、求人アプリやエージェントに登録し、未知の世界に足を踏み出すことになったのです。
当初は4万円程度の降格移動の予定でしたが、提示された条件は想像以上に厳しいものでした。
減給は10万円近く、役職は外れ、将来の昇格の道も閉ざされる内容。
「この条件で異動するくらいなら、いっそ退職した方がいいのかもしれない」
そう考えるようになり、最終的には退社を選ぶ決断に至りました。
退職までにやるべき準備と引き継ぎの日々
退職が決まった瞬間から、頭の中は不安と緊張でいっぱいでした。
会社の就業規則には「退社通知は1か月前」と記載されていましたが、法律上は2週間前でも可能。
しかし今回は会社都合の退社にできるのか、それとも自己都合扱いになるのかで大きく違うことを知り、ネットで情報を必死に調べました。
退職理由が「自己都合」か「会社都合」かで、失業保険の給付日数や開始時期は大きく変わります。
詳しくは リクナビNEXTの解説記事 が参考になります。
退社日までに片付けるべきことは、山のようにありました。
まず、有給休暇の残日数を確認し、初めての有給買取手続きを進めます。
退職金の申請書類も受け取り、記入漏れがないように慎重に対応しました。
さらに、退職理由に関するやり取りは、後々のトラブルを避けるために必ずメールや書面に残すように心掛けます。
離職票は会社が発行するため、退職してもすぐには手元に届きません。
本社に確認したところ、発行まで最低でも2週間はかかるとのことでした。
そのため、まずは退職証明書を受け取り、事前にハローワークへ報告します。
離職票が届いた段階で窓口へ行き、退職理由が自己都合から会社都合に変更できるかを相談する流れです。
実はやること多い
一方で、社内では引き継ぎ作業が山積みでした。
料理長として管理していたレシピ、発注、在庫管理、シフト作成まで、頭の中にしかなかった情報を一つずつ整理して渡していきます。
日中は業務と引き継ぎに追われ、夜になると将来への不安が押し寄せました。
気付けば、スマートフォンで「飲食 転職」「元料理人 本社勤務」などのワードを検索する毎日。
16年間同じ会社で働いてきた自分にとって、転職活動はまったくの未知の世界でした。
まずは求人アプリに登録し、飲食業界経験者向けの求人を確認。
続けて転職エージェントにも申し込み、担当者との初回面談を調整しました。
求人票を見ると、休日数・残業時間・固定残業代の有無など、これまで意識してこなかった条件が目に入ります。
現場一筋だった自分にとって、数字で見る働き方の現実は新鮮で、同時に衝撃でもありました。
一方で、家庭内の空気は次第に重くなっていきます。
退社の決断をしたとはいえ、すべてが同時進行の慌ただしい日々でした。
家庭で突きつけられた現実と自己反省
妻からの言葉は痛烈でした。
「今まで準備する時間はいくらでもあったよね」
これまで家庭のことは後回しにし、仕事を理由に逃げてきた自分。
急な退社で慌てる姿に、妻は半ば見放したような表情をしていました。
その言葉に、16年間の過ごし方を突きつけられた気持ちになり、焦りと自己嫌悪が一気に押し寄せます。
退社までの残り日数は迫るのに、先の見えない不安は増すばかり。
夜中に求人票を眺めても、条件や仕事内容だけでは未来が想像できません。
この時ようやく、自分のキャリアを「会社任せ」にしてきたツケが回ってきたと痛感しました。
まとめ|退職を迫られたら、まずやるべき3つの行動
この記事では、私が16年間勤めた会社で突然退職を迫られ、初めて転職活動を始めるまでの体験を紹介しました。
今回の経験から、同じ状況に立ったときにまずやるべきことは次の3つです。
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退職条件と手続きを正確に把握する
・降格や減給の条件を文書で確認
・退職理由は必ず記録に残す -
生活の準備を整える
・有給買取や退職金、離職票など必要書類を早めに確認
・退職後の生活費をシミュレーション -
転職活動をすぐにスタートする
・求人アプリや転職エージェントに登録
・在職中に情報収集を始めることで選択肢が広がる
退職は突然やってきます。
しかし、冷静に状況を整理し、最初の一歩を踏み出せば次のキャリアは必ず見えてきます。
次回は、【初めての転職活動で直面した不安と求人探しのリアル】をお伝えします。
今の働き方に不安がある方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。
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